手間をかけないインデックス・ファンド投資戦略をオススメする理由

update 3/31/2019
手間をかけないインデックス・ファンド投資戦略をオススメする理由

私は、手間をかけないインデックス・ファンド投資を実践しています。

2005年からこれまで細々と(かついろいろと)投資・運用を続けて、儲かったり損したりしてきました。

やってみたのは、たとえば、先進国株式、新興国株式、中国株式、日本株式(高配当株、シテ株、低位株)、米国債券(国債、社債)、豪ドル債券、国内債券(国債、社債、仕組み債)、サムライ債、先進国REIT、US REIT、J-REIT、純金積み立てなどなど。デイトレードから長期保有まで、ローリスクからハイリスクまで、個別株からトリプル・ブル、ハイイールド債まで。

そして、ショックもいろいろ体験しました。ライブドア・ショック、サブプライム・ショック、パリバ・ショック、リーマン・ショック……

様々な形で投資・運用をし続けてきて悟ったこと。それは……


どの商品が儲かるのかは、わからない!


当たり前です。が、これは意外と大事なポイントだと思います。「きっと自分は儲かるだろう」と思うのが人の常ですが、未来の価格を知ることはできないのです。

実は、これは投資のプロにとっても同じです。

たとえば、投資信託には、プロが儲かる銘柄を厳選して投資をするアクティブ・ファンドと、インデックス・ファンドがあります。インデックス・ファンドとは、日経平均株価や東証株価指数(Tokyo Stock Price Index: TOPIX、トピックス)などに連動するものです。簡単に言えば、市場の平均点です。

さて、どちらの成績が良いでしょうか?

「そりゃ平均点よりも、プロが厳選した方が成績がいいでしょ?」

と普通は思いますが、実は違うんです

10年の期間で見ると、アクティブ・ファンドよりもインデックス・ファンドの方が成績が良い確率が高いという実績が出ています。グローバル株式ファンドだと、なんと9割の確率でインデックス・ファンドの勝利です(詳しいデータを知りたい人は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが公表している「S&P Indices Versus Active: SPIVA」を検索してみてください)。

これが何を意味しているか? 繰り返しますが、たとえプロでも未来の価格を知ることはできないのです。それでも1割のプロは平均点を上回っていますが、そもそも、私たち一般人には、誰がその1割のプロかはわかりません。

でも、投資においては確実なこともあります。

それは、手数料や税金がかかるということです。どのようなファンドに投資するにしても、それに関わる人々の給料が必要です。

ファンドマネージャーなどのプロに運用を頼むのなら、なおさらです。そのプロに多くの給料・報酬を支払う必要があります。

つまり、投資のプロに頼むアクティブ・ファンドの方が、平均点を目指すインデックス・ファンドよりも手数料が高くなるのです

仮に、購入手数料が3%なら、その商品を買ったときに確実に3%の損失になるのと同じことです。つまり、3%以上の運用利益が出ないと、損をすることになってしまうのです。購入手数料に加えて、投資信託には信託報酬という手数料などもかかります。これは、商品を保有している限り、毎年払い続けなければならない手数料です。

たとえば購入手数料3%、信託報酬1%の投資信託を100万円分買ったとすると、最初に3万円の購入手数料がかかり、その後1年で1万円、10年で10万円、30年で30万円が信託報酬として消えていくのです。

というわけで、私は(最近は)、アクティブ・ファンドではなく、成績がより良く手数料がより低いインデックス・ファンドに投資をすることにしています。

インデックス・ファンド投資のもう1つの大きな利点は、時間の節約です。個別の株式などを買う場合、どれに投資しようか、いつ買うかいつ売るかを悩む時間、あのとき買えば良かった、いや売っておけば良かった、価格が上がった下がったと一喜一憂する時間を浪費してしまいます。

インデックス・ファンド投資は、ただ自動的に積み立てるだけです。月に1回など決めて、自動的に投資していきます。タイミングを気にする必要はないので、心にゆとりができます。あくまでも平均点を狙いに行くので、淡々と投資をします。

投資が趣味だからもっと楽しみたいという方には、他の投資戦略が向いているかもしれません。ですが、そうではない方には、手間をかけないインデックス・ファンド投資をオススメします。

インデックス・ファンドを選ぶ基準

では、具体的にどのファンドを選ぶのか? 私がファンドを選ぶ基準は2つです。
  1. 手数料がもっとも安いもの。
  2. 世界に広く分散して投資するもの。どこの国の株価が上がるのか? これもわからないからです(下で述べるように、株主優待目当てに日本の株式はある程度保有しているので、日本株はなくてもいいかなと現状では思っています)。
という条件で調べた結果、三菱UFJ国際投信株式会社の「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」という投資信託を積み立てています。

eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)というファンドは、「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続けるファンド」と銘打っています。事実、より手数料の少ない投資信託が出たときには、それに対抗して値下げをしています。

日本株を保有していない方には、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が良いと思います。日本株+先進国株+新興国株のファンドを別々に買うと、その比率を一定に保つために、リバランス(値上がりした投信を一部売って、値下がりした投信を買い増す)という作業が必要になります。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」ならリバランスが不要(ファンドがやってくれる)ので、楽ちんです。

しかも、自分でリバランスをすると、利益が出ていたら税金がかかってしまい、投資資金が目減りしてしまいます。リバランスが不要=税金による資金の目減りを防げるというメリットもあるわけです。

手数料は、証券会社のウェブサイトで簡単に比較できます(厳密に言うと、公表されている手数料と、実際にかかる手数料には若干ズレもあります。が、ウオッチし続けるのは手間がかかりますので、とりあえず気にしないようにしています)。

これらのファンドは、楽天証券などから申し込むことができます。楽天証券で楽天カードを使って積み立てると、投資額の1%の楽天スーパーポイントが貯まるので大変お得です(月50,000円分まで)。

楽天スーパーポイントの節約戦略をオススメする理由
楽天証券の節約戦略をオススメする理由

株主優待目当ての日本株

日本株については、あくまでも「趣味」として、いくつかの株を買って株主優待を取得しています。合理的に考えれば、未来がわからない以上、個別の株式に投資するのは難しいのでオススメしません。株主優待がなくなったり、株価が暴落したり、企業がつぶれたりする危険性もあります。

ですが、株主優待はもらうとうれしいものです。そこで、採算は(ある程度)度外視して、とくに長期保有優遇株を、一生持ち続けるつもりで個別に買っています。基本的に一度買ったら、株価については忘れます。今後、万が一株価が大きく下がることがあれば、そのときにいろいろ買い増そうかなと夢想しています。

長期保有株以外は、つなぎ売り・クロス取引で、株主優待を取得しています。
株主優待の節約戦略をオススメする理由(つなぎ売り・クロス取引)

他にも、IPO投資も実践しています。
IPO(新規公開株式)の投資戦略をオススメする理由


以上は、あくまでも私の個人的な考えと投資・資産運用の基本戦略です。投資・資産運用にはリスクがあります。最終的にはご自身の判断と責任でお願いいたします。